【必ずチェック】飲食店を閉店し解体する際に必要な費用
飲食店の解体費用は、お店の広さや解体工事の種類によって大きく異なりますが、だいたい50万〜60万円が目安になります。
「うちのお店の場合はどれくらいの費用になるんだろう」
「解体工事に種類なんてあるの?」
「解体費用をなるべくおさえる方法はないの?」
こんなことが気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、飲食店の解体に必要な費用について詳しく解説するだけでなく、解体の他に必要な費用や、解体費用が高額になってしまうケース、なるべく閉店に関わる費用をおさえる方法についてご紹介していきます。
お客様とスタッフによって支えられてきた飲食店が閉店してしまうことは、とても心が痛むことです。
しかし、閉店時に確認すべきことが漏れてしまうと、思わぬ出費がかさんでしまい、さらに苦しい思いをしてしまう恐れがあります。
愛着あるお店をたたむ時だからこそ、入念に準備をしておきましょうね。それではまいります。
飲食店の解体は大きく分けて3種類
飲食店を閉店し解体する場合、物件を「どのような状態に戻すか?」によって、解体工事は以下の3種類に分けられます。
- 内装解体
- スケルトン解体
- 原状回復
それぞれどのような状態にすることか、またそれぞれ解体費用がどれくらいかかるのか、詳しくお話していきます。
内装解体
飲食店の場合は、壁・間仕切り・カウンター・厨房機器があることが多いですが、このような内装や設備を手作業で解体していきます。
内装解体の費用相場は、1坪あたり15,000円〜40,000円と言われています。
例えば、20坪の居酒屋を、1坪あたり単価20,000円で解体する場合、解体費用は400,000円という計算になります。
スケルトン解体
物件の構造部分を残し、内装すべてを解体することをスケルトン解体と言います。
天井や床材もすべて取り壊し、基礎部分がむき出しの状態にする必要があり小型の重機を用いて解体を行うことも多いです。スケルトン解体の費用相場は1坪あたり30,000円〜50,000円と言われており、内装解体と比べ手間がかかるぶん、解体費用も高めになっています。
原状回復
物件に入居する前の状態に戻すことを指します。
つまり、借りた時がスケルトン状態の場合はスケルトン解体が必要になるというわけです。
借りた時の状態によって、解体の種類が異なります。
そのため原状回復の場合、解体費用は一概に言えませんがだいたい内装解体と同じく1坪あたり15,000円〜40,000円と想定しておくといいでしょう。
解体の種類は賃貸借契約書を確認
物件を借りる契約(賃貸借契約)を結ぶ際は、賃貸借契約書に署名捺印をしますが、この賃貸借契約書には、退去時の取り決めについて記載されることが一般的です。
つまり物件を解約する際、いつまでに告知し、どのような状態で返す必要があるかが記載されているので、解体する際には必ず確認しましょう。
解体費用が高額になってしまうケース
解体費用は基本的に坪単価×お店の広さによって計算されますが、お店の内装が複雑でモノが多かったりすると高額になってしまうケースがあります。
テーブルと椅子が並んでいるだけのオープンなお店と、全席個室居酒屋で比較するとわかりやすいのですが、間仕切りが多いぶん、明らかに後者のほうが手間がかかりますよね。
さらに、厨房やエアコンなどの設備によっても解体費用が大きく異る場合があるので、ここでは解体費用が高額になってしまう可能性があるケースについてご紹介していきます。
周囲の状況によって解体作業が困難になってしまう場合
夜に営業する居酒屋などのテナントだけのビルの場合、解体作用は店が営業していない日中に行う事ができますが、様々な業種のテナントが入っているビルの場合はそうはいきません。
すべてのテナントが営業時間外となる早朝などに作業が必要になると、その分の人件費が多く必要になってしまい、解体費用が高額になってしまうことがあります。
また、エレベーターが設置されていない物件や、近くに車を停めるスペースがない場合も注意が必要です。
廃棄物の搬出や作業機材の搬入に手間がかかってしまい、解体にかかる日数も費用も多めにかかってしまうことがあります。
内装に使われている部材や設備が多い場合
特に居酒屋などに多く見られますが、個室や小上がりがあるとそのぶん、内装に多くの部材が使われます。
解体作業に手間がかかるだけでなく、廃棄物の搬出もより多くの手間がかかるので、解体費用が高額になることがあります。
他には、焼肉店に多く見られる無煙ロースターや排気ダクトが多く設置されている場合も、設備が複雑に入り組んでいることで解体により多くの費用がかかる可能性があります。
内装の素材によって解体が困難になる場合
内装にコンクリートが利用されている場合、解体するにははつり工事(コンクリートをピックやドリルで削る工事)が必要になります。
はつり工事はかなり手間がかかる作業なので、当然、解体費用は高騰してしまう傾向があります。
また、内装に石綿(アスベスト)が利用されている場合、石綿飛散防止のための作業基準を満たす必要があったり、そのために都道府県に届出を出す必要があったりとかなり大変です。
このように、内装の使われている部材の量が少なくても、その素材のせいで解体作業が困難になってしまい、解体費用が高額になってしまうケースもあります。
解体費用の他にかかる費用
さて、ここまで解体費用について解説してきましたが、飲食店を閉店する際にかかる費用は、何も解体費用だけではありません。
閉店の際、トータルでいつ、どれくらいの費用があるのか全体を把握しておかないと、思わぬ出費で余計に苦しくなってしまいます。
まずは閉店の際、かかる可能性がある費用を洗い出してチェックしましょう。
廃棄物処理費用
解体工事の業者によっては、解体費用に含まれる場合もありますが、解体によってできた廃棄物を処理するには費用がかかります。
解体工事の見積もり時に、廃棄物の処理費用について記載されていない場合、廃棄物処理費用はどのようになるのか、聞いておいたほうがいいでしょう。
毎月の支払いのうち閉店後も支払う必要があるもの
飲食店を経営する際、毎月の支払いとして、
- 金融機関からの借入に対する返済
- 厨房機器などのリース料金
- スタッフの給料
- 購入した食材や備品のうち未払い・後払い・分割払いのもの
といったものが挙げられます。
それぞれいつまで・いくら支払いの必要があるかをしっかり把握しておきましょう。
法人を解散する際にかかる費用
飲食店を閉店する方の中には、法人を解散する必要がある方もいるでしょう。
法人を解散するには、以下のような費用が発生します。
- 登録免許税
- 官報公告費用
- その他諸費用
- 司法書士など代行手数料
- 決算の税務申告費用
これらを合わせると、おおよそ30万前後になります。
見落としやすい割にはけっこうな額になるので、法人を解散する場合は費用についてしっかり見積もっておきましょう。
飲食店の解体費用を抑えるには居抜きも有効
最近では、飲食店の解体費用を抑えるために、居抜き物件として次の利用者に譲渡されることも多いです。
居抜きとは、お店の内装や設備をそのまま次の利用者に引き継ぐことで、閉店する側の目線では解体費用の節約、新しいオーナー側の目線では開店費用の節約になります。
ただし、冒頭で触れたように物件の賃貸借契約書によって、退去時の物件の状態は指定されているため、居抜き物件として譲渡するには大家さんへの交渉が必要になります。
ただし、大家さんの目線でも、
- 退去された後にすぐ新しい入居が決まる
- 解体に際し工事員の出入りや騒音が少なく住む
といったメリットがあるので、交渉に応じてくれることは多いです。
居抜き物件として譲渡するには、大家さんへの交渉だけでなく、新しい入居者の募集や交渉が必要になるので、居抜き物件を仲介する業者に問い合わせるのが手っ取り早く、安心して取引することができるでしょう。
【関連記事】
>>飲食店の事業譲渡とは?メリット・デメリットや注意点を解説!
弊社でも、居抜き物件の仲介をお引き受けしております。
特に弊社の場合、飲食店の新規出店コンサルタントの立場から、居抜き物件を探している方とのネットワークを多く保有しているので、特徴的な内装や設備の店舗でもすぐに譲渡先が見つかる可能性があります。
居抜き譲渡に興味を持たれたら、まずは下記よりお気軽にお問い合わせ下さい。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は飲食店の閉店・解体時にかかる費用について解説させていただきました。
解体工事だけでなく、閉店に際しては多くの費用がかかるので、必ずどのような費用がいつまでどれくらいかかるのか、洗い出しておきましょう。
何より大事なのは、閉店までのスケジューリングです。
物件の退去時には、退去の申し出・引き渡しそれぞれに期日が定められている場合が多いです。
それに合わせて、解体工事の見積もりから解体作業、その他手続きにかかる日数を把握し、スケジュールに落とし込むことが大事です。
そうすることで、1日でも多く営業日を設けることができたり、逆に余計に多くの家賃を支払うなどのトラブルを避けることができます。
まずは費用の洗い出しとスケジュールは、最低限おさえておきましょう。
飲食店を閉店し解体する場合、物件を「どのような状態に戻すか?」によって、解体工事は以下の3種類に分けられます。
- 内装解体
- スケルトン解体
- 原状回復
それぞれどのような状態にすることか、またそれぞれ解体費用がどれくらいかかるのか、詳しくお話していきます。
飲食店の場合は、壁・間仕切り・カウンター・厨房機器があることが多いですが、このような内装や設備を手作業で解体していきます。
内装解体の費用相場は、1坪あたり15,000円〜40,000円と言われています。
例えば、20坪の居酒屋を、1坪あたり単価20,000円で解体する場合、解体費用は400,000円という計算になります。
物件の構造部分を残し、内装すべてを解体することをスケルトン解体と言います。
天井や床材もすべて取り壊し、基礎部分がむき出しの状態にする必要があり小型の重機を用いて解体を行うことも多いです。スケルトン解体の費用相場は1坪あたり30,000円〜50,000円と言われており、内装解体と比べ手間がかかるぶん、解体費用も高めになっています。
物件に入居する前の状態に戻すことを指します。
つまり、借りた時がスケルトン状態の場合はスケルトン解体が必要になるというわけです。
借りた時の状態によって、解体の種類が異なります。
そのため原状回復の場合、解体費用は一概に言えませんがだいたい内装解体と同じく1坪あたり15,000円〜40,000円と想定しておくといいでしょう。
物件を借りる契約(賃貸借契約)を結ぶ際は、賃貸借契約書に署名捺印をしますが、この賃貸借契約書には、退去時の取り決めについて記載されることが一般的です。
つまり物件を解約する際、いつまでに告知し、どのような状態で返す必要があるかが記載されているので、解体する際には必ず確認しましょう。
解体費用は基本的に坪単価×お店の広さによって計算されますが、お店の内装が複雑でモノが多かったりすると高額になってしまうケースがあります。
テーブルと椅子が並んでいるだけのオープンなお店と、全席個室居酒屋で比較するとわかりやすいのですが、間仕切りが多いぶん、明らかに後者のほうが手間がかかりますよね。
さらに、厨房やエアコンなどの設備によっても解体費用が大きく異る場合があるので、ここでは解体費用が高額になってしまう可能性があるケースについてご紹介していきます。
周囲の状況によって解体作業が困難になってしまう場合
夜に営業する居酒屋などのテナントだけのビルの場合、解体作用は店が営業していない日中に行う事ができますが、様々な業種のテナントが入っているビルの場合はそうはいきません。
すべてのテナントが営業時間外となる早朝などに作業が必要になると、その分の人件費が多く必要になってしまい、解体費用が高額になってしまうことがあります。
また、エレベーターが設置されていない物件や、近くに車を停めるスペースがない場合も注意が必要です。
廃棄物の搬出や作業機材の搬入に手間がかかってしまい、解体にかかる日数も費用も多めにかかってしまうことがあります。
内装に使われている部材や設備が多い場合
特に居酒屋などに多く見られますが、個室や小上がりがあるとそのぶん、内装に多くの部材が使われます。
解体作業に手間がかかるだけでなく、廃棄物の搬出もより多くの手間がかかるので、解体費用が高額になることがあります。
他には、焼肉店に多く見られる無煙ロースターや排気ダクトが多く設置されている場合も、設備が複雑に入り組んでいることで解体により多くの費用がかかる可能性があります。
内装の素材によって解体が困難になる場合
内装にコンクリートが利用されている場合、解体するにははつり工事(コンクリートをピックやドリルで削る工事)が必要になります。
はつり工事はかなり手間がかかる作業なので、当然、解体費用は高騰してしまう傾向があります。
また、内装に石綿(アスベスト)が利用されている場合、石綿飛散防止のための作業基準を満たす必要があったり、そのために都道府県に届出を出す必要があったりとかなり大変です。
このように、内装の使われている部材の量が少なくても、その素材のせいで解体作業が困難になってしまい、解体費用が高額になってしまうケースもあります。
解体費用の他にかかる費用
さて、ここまで解体費用について解説してきましたが、飲食店を閉店する際にかかる費用は、何も解体費用だけではありません。
閉店の際、トータルでいつ、どれくらいの費用があるのか全体を把握しておかないと、思わぬ出費で余計に苦しくなってしまいます。
まずは閉店の際、かかる可能性がある費用を洗い出してチェックしましょう。
廃棄物処理費用
解体工事の業者によっては、解体費用に含まれる場合もありますが、解体によってできた廃棄物を処理するには費用がかかります。
解体工事の見積もり時に、廃棄物の処理費用について記載されていない場合、廃棄物処理費用はどのようになるのか、聞いておいたほうがいいでしょう。
毎月の支払いのうち閉店後も支払う必要があるもの
飲食店を経営する際、毎月の支払いとして、
- 金融機関からの借入に対する返済
- 厨房機器などのリース料金
- スタッフの給料
- 購入した食材や備品のうち未払い・後払い・分割払いのもの
といったものが挙げられます。
それぞれいつまで・いくら支払いの必要があるかをしっかり把握しておきましょう。
法人を解散する際にかかる費用
飲食店を閉店する方の中には、法人を解散する必要がある方もいるでしょう。
法人を解散するには、以下のような費用が発生します。
- 登録免許税
- 官報公告費用
- その他諸費用
- 司法書士など代行手数料
- 決算の税務申告費用
これらを合わせると、おおよそ30万前後になります。
見落としやすい割にはけっこうな額になるので、法人を解散する場合は費用についてしっかり見積もっておきましょう。
飲食店の解体費用を抑えるには居抜きも有効
最近では、飲食店の解体費用を抑えるために、居抜き物件として次の利用者に譲渡されることも多いです。
居抜きとは、お店の内装や設備をそのまま次の利用者に引き継ぐことで、閉店する側の目線では解体費用の節約、新しいオーナー側の目線では開店費用の節約になります。
ただし、冒頭で触れたように物件の賃貸借契約書によって、退去時の物件の状態は指定されているため、居抜き物件として譲渡するには大家さんへの交渉が必要になります。
ただし、大家さんの目線でも、
- 退去された後にすぐ新しい入居が決まる
- 解体に際し工事員の出入りや騒音が少なく住む
といったメリットがあるので、交渉に応じてくれることは多いです。
居抜き物件として譲渡するには、大家さんへの交渉だけでなく、新しい入居者の募集や交渉が必要になるので、居抜き物件を仲介する業者に問い合わせるのが手っ取り早く、安心して取引することができるでしょう。
【関連記事】
>>飲食店の事業譲渡とは?メリット・デメリットや注意点を解説!
弊社でも、居抜き物件の仲介をお引き受けしております。
特に弊社の場合、飲食店の新規出店コンサルタントの立場から、居抜き物件を探している方とのネットワークを多く保有しているので、特徴的な内装や設備の店舗でもすぐに譲渡先が見つかる可能性があります。
居抜き譲渡に興味を持たれたら、まずは下記よりお気軽にお問い合わせ下さい。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は飲食店の閉店・解体時にかかる費用について解説させていただきました。
解体工事だけでなく、閉店に際しては多くの費用がかかるので、必ずどのような費用がいつまでどれくらいかかるのか、洗い出しておきましょう。
何より大事なのは、閉店までのスケジューリングです。
物件の退去時には、退去の申し出・引き渡しそれぞれに期日が定められている場合が多いです。
それに合わせて、解体工事の見積もりから解体作業、その他手続きにかかる日数を把握し、スケジュールに落とし込むことが大事です。
そうすることで、1日でも多く営業日を設けることができたり、逆に余計に多くの家賃を支払うなどのトラブルを避けることができます。
まずは費用の洗い出しとスケジュールは、最低限おさえておきましょう。
いかがでしたでしょうか。
今回は飲食店の閉店・解体時にかかる費用について解説させていただきました。
解体工事だけでなく、閉店に際しては多くの費用がかかるので、必ずどのような費用がいつまでどれくらいかかるのか、洗い出しておきましょう。
何より大事なのは、閉店までのスケジューリングです。
物件の退去時には、退去の申し出・引き渡しそれぞれに期日が定められている場合が多いです。
それに合わせて、解体工事の見積もりから解体作業、その他手続きにかかる日数を把握し、スケジュールに落とし込むことが大事です。
そうすることで、1日でも多く営業日を設けることができたり、逆に余計に多くの家賃を支払うなどのトラブルを避けることができます。
まずは費用の洗い出しとスケジュールは、最低限おさえておきましょう。