【飲食業界ニュース202111】「飲食個人店の収支改善策」と「少人数営業の繁盛店例」

公開日: 2022年1月17日

こちらは2021年11月弊社クライアント様へお届けした

【ティーアップ通信】の一部抜粋したものです。

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さて、待ちに待った緊急事態宣言が解除され

通常営業が出来るようになりました。

厳密には5人以上での同卓にて会食を行う事は

遠慮するように協力要請が出ておりますが

今までの様に時間やアルコールの提供に対して

規制が掛かっていた時と比べると全く問題の無いレベルかもしれません。

もろ手を挙げて喜んでいる店舗様もあれば、

逆に落胆の声など飲食店の現場からは以下の様な声が聞こえてきます。

・年内は緊急事態宣言が解除されないと思っていた

・第6波が来たら又、時短要請が出るのではないか?

・いざ、通常営業してみたら中々お客さんが入らない

皆様の10月営業に対する印象はいかがでしたでしょうか?

それではもう少し具体的に

10月の飲食業界に関するニュースや出来事を振り返ってみましょう。

 

【ファミレスのアルコール提供増える】

ファミレス大手のすかいらーくグループが運営する

「ガスト」が10月21日よりアルコール販売を促進させると発表しました。

内容としては

平日の午前10時30分から18時まで

ハッピーアワーを導入して

ビールやレモンサワーを1杯200円で提供。

グラスワインは1杯、199円。

焼酎かウイスキーをドリンクバーで好きなドリンクで割れるというサービスも

始め各349円で提供を始めるという事です。

そして今回、すかいらーくグループが本気だと思えるのは

ガストがアルコールのオーダーを促進させる為に大量の「つまみ」メニューを投入した事です。

総数43品。

199円のメニューから揃えてあり、

カキフライ362円、

鶏の照り焼き温玉添え329円、

若鳥のから揚げ329円などなど。

もちろん皆様の店舗と味やクオリティー、

店内の雰囲気を比べるのは失礼ですが

私が警戒しているのは

ファミレスで飲むことを推し進めようと

「ファミ飲み」なる言葉をすかいらーくは

広めようとしているてんです。

今後はマスコミを使って

「ファミ飲み」をガンガン流行らせようとしてくると思われます。

また、ガストは全国に1300店舗あり、

バーミヤンを加えると1500店舗あります。

ここが本気で酒を売り始めると

若年層や早い時間から飲んで早く帰りたいという

年配層などはかなりの数が利用すると思われます。

近隣にすかいらーくチェーンがある店舗様は注意していきましょう。

 

【個人店の10月営業の振り返り】

弊社収支ソフト「クロジー」から

10月の数字を振り返ってみましょう。

東京、神奈川、千葉、埼玉を中心に

10月1日からは20時まで酒類の提供が出来るようになり

営業は21時までではありますが

久しぶりのアルコール提供が可能となる営業再開でした。

10月1日は金曜日という事もあり

盛況となる期待があったのですが天候が悪く

台風なども影響し閑散とした営業だったという店舗様が大半でした。

また、2割くらいの店舗様からは

アルバイトのシフト調整が出来なくてオープン出来ないというご報告も受けました。

立地によっては周辺企業がテレワークを継続している影響で

ランチの戻りも弱かったという店舗様もあり久しぶりのアルコール解禁日とは言え、

不調な営業日となりました。

しかし2日土曜日、3日日曜日は大きく売上を伸ばした店舗様が多かった印象です。

特にファミリー客や早い時間から飲めるように対策を練った店舗様などは

店舗にお客様が入り切れず、取り逃しが多かったという声を頂いております。

弊社直営店はオフィス街の裏通りにあり、

土曜日は普段、静かな営業なのですが

2日の土曜日は外で久しぶりに美味しいワインを飲みたいという

お客様で大変混雑した営業となりました。

 

平日4日から8日の営業は

今まで外食や外飲みを我慢していた人たちが来店してくれた影響もあり

活況だった店舗様が多かった印象です。

11日から23日までの営業は

外食を我慢していた、お客様の来店が一巡してしまい

中々厳しい営業だという声が多く寄せられました。

 

あるビール会社のアンケートデータによると

サラリーマンを対象に10月1日から10月15日の15日間で

「外食して酒を飲んだか?」とアンケートしたところ

全体の20%弱の人しか外飲みをしていないというデータが出ました。

つまり外食、外飲みが解禁されても会社で会食を控えるように言われていたり、

家族の事を気遣って外飲みを自粛しているという現状が浮かび上がってきます。

また、外食を控えるようになってしまった一番の理由としては

家飲みの手軽さと安さに慣れてしまっているというのが最大の要因だと思われます。

総論としましては

10月の売上を2019年10月比で見ると

80%~90%と言う店舗様が多かったです。

しかし中には過去最高売り上げを達成している店舗様も数店いらっしゃいました。

好調な店舗様の傾向としては

「客単価の高い店」

「業態や店舗づくりに拘りや特徴のある店」

「コロナ前からファミリー層も取り入れていた店」などの

店舗が好調だった印象です。

 

【個人店の収支改善策】

飲食業の場合、売上は客数×客単価となりますから

売上を上げたいと思えば来店して頂ける客数を増やすか客単価を上げるかの、

どちらかしか方法はありません。

大手飲食企業や繁盛している個人店に関しては、

この1年間客単価を上げる努力をしてきています。

下記の3つが飲食店における代表的な客単価向上施策です。

・ワンモアドリンク・・・もう1杯ドリンクを飲んで頂く(料理に合う酒の提案)

・ワンモアフード・・・デザートなど、もう1品ご注文を頂く

・グレードアップ・・・コースやパーティーメニューでの御来店のお客様に

オプションを用意してグレードアップして頂く

(特別な食材や季節の食材を取り入れてグレードアップする)

古典的な方法かもしれませんが飲食不況化に於いては原点に立ち返って、

売上を増やしていくには、これらの方法しかありません。

 

その他の収支改善施策として、

「メニュー改定」

「ランチの付け合わせの検証」

「お客様の滞在時間の検証」

「コペルトや席料の導入」

「ポーションの見直し」なども

有効な施策と言えます。

 

【少人数営業の繁盛店例】

御夫婦2人で30席ほどの居酒屋を経営されているクライアント様がいます。

今までは常連さんに支えられてきましたがコロナ禍で客数も減ってきたため、

メニューを刷新して、料理の盛り付けなども変更し

新しいお客様を取り込む施策を始めたことで10月は新規客も増えたとのことでした。

そして驚くのは10月に来店してくれた新規客のほぼ100%が再来店してくれたり、

その場で次回の予約をしたりとリピート客になったことです。

私もこの店のファンですが、

原因は何だろう?と改めて営業現場を見てみました。

この店はご主人が厨房で料理を作り奥様が提供するのですが、

ドリンクや料理の提供スピードが非常に早いのです。

しかし早いだけではなくグラスが空いたら

「阿久津さん、お飲み物どうしますか?」

と嫌味なく追加ドリンクを促します。

席は満卓で忙しそうな感じなので、

こちらから追加のドリンクやフードの声掛けを遠慮しがちですが

声がけする前に気付いてくれるので満足度も上がり全く嫌な気がしません。

店内の色々なお客様達とも会話をしながら、

刺身に合う日本酒の提案などをオーダー毎に行っています。

予約をしてくれた2回目以降の来店者の名前も覚えたりと

小さな配慮も忘れません。

フードのオーダーを迷っているお客様には、

もちろんお勧め料理を教えてくれます。

空腹具合や好みを聞いてから、

お勧め料理を教えてくれるので大きく外すことはありません。

刺身は店舗でブレンドしたオリジナル醤油を刷毛でお客様自身が刺身に塗って食べます。

粋な演出でもありますが店主に聞くと刺身醤油の醤油皿など提供物をなるべく減らすことで

ドリンク提供や料理提供のスピードを上げる事が出来るとのことでした。

もちろん洗い物も減ります。

少人数で店を切り盛りするとサービスの質が下がるとか、

ワンモアドリンクの声掛けは嫌がる客が多いと言う方もいますが、

この店の様に少ない人数で切り盛りしているのに

顧客満足度を向上させて大繁盛されている店と言うのは出来ない理由を考えるのではなく

出来る方法を考えるという姿勢が驚異のリピート率に繋がっているのだなと感じました。

 

【経営者としての考え方】

今年の11月12月は2019年比で80%~90%前後の売上かもしれません。

でも単月黒字を目指しましょう!

厳しいことは重々承知です。

悪くてもトントンで踏みとどまる気構えが大切です。

コロナによって赤字に慣れてしまっている店舗様が増えている気がします。

今後は協力金の支給は無いかもしれません。

企業経営にとって最大の脅威は経営者が赤字に慣れてしまうことです。

第6波が来るとマスコミが騒いでいますが、

いくら悩んでもコロナの猛威を抑えたりすることは出来ません。

それよりは自分でコントロール出来ること

接客やメニュー改定などによる顧客満足度向上)に集中して年末を乗り切りましょう。

 

「現実は厳しい。理想ばかり言うな」と言われそうですが、

経営者の私達が今こそ理想を語って

スタッフや業者さんに明るい将来を指し示して、

この時代を乗り切っていきましょう!