【飲食業界ニュース202107】2021年8月以降 外食企業の今後の見通し・一人外食の増加・豆知識

公開日: 2021年9月17日

こちらは2021年7月弊社クライアント様へお届けした

【ティーアップ通信】の一部抜粋したものです。

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やっと緊急事態宣言も解除されて酒類の提供が解禁されました。

19時までの提供ですが、

我々飲食店にとっては待ちに待ったという感じでしょうか?

ただ、弊社お客様の中には19時まででは売上が見込めないという事で

ディナー営業を休業している店舗様もいらっしゃいます。

たしかに協力金日額30,000円に減ってしまったとはいえ

個人の飲食店オーナー様にとっては大きな金額です。

損益分岐を考えながら結論を出して頂きたいと思います。

 

2020年度飲食業界データ

さて、2020年度の飲食業界に対する数字が色々と出揃ってまいりました。

飲食企業、主要308社に調査した

2020年4月から2021年3月末までデータを見てみますと

 

・飲食業界の店舗売上は昨対でマイナス16%。

マイナスとなったのは16年ぶり

・業態別ではパブ・居酒屋がマイナス47%と半減となった。

・同様の調査で飲食店の店舗閉店は5000店舗を超えました。

コロナ禍で行った感染予防対策としては

・キャッシュレス決済導入店舗は90%を超えた

・タッチパネルオーナーは40%以上の店舗が導入を実施

 

このような流れを見ますと、

非接触型の決済やオーダーに投資が集中し飲食業界のスタンダードになる可能性がありますので

カードなどの決済はますます需要が増えてくるものと思われます。

 

一人外食の増加

さて、ホットペッパーグルメによりますと

過去1年間で「一人外食」を実施した人は全体の45.9%となっています。

酒類の提供が無い、3人以上では飲酒出来ない、

20時で飲食店が閉店してしまうなど理由は様々でしょうが

1人で外食した人が全飲食人口の約半分になっています。

もちろん、この数字だけでは一人需要が増えたかどうかは分かりませんが、

顕著なデータとして組当たりの平均人数を見てみると分かります。

一組当たりの飲食人数は、

20年3月は2.22人、

20年6月は2.38人、

20年12月は2.30人、

21年3月は1.94人

と言う風に一組当たりの人数が減ってきています。

理由としては「外食に人を誘いにくくなった」

「外食に誘われる機会が減った」

と言う理由が上位になっており

大手企業などは未だテレワークを推進している現状を踏まえると

大人数での飲食、宴会というのは減ってきているというのがデータからも分かります。

こういった流れを汲んでレイアウトの変更やメニューの1品当たりの量を減らす、

ハーフメニューを作る、

2名からでもコース予約が出来るように変更する

と言った対策が効果的だと思われます。

 

外食企業の今後の見通し

コロナによって飲食店経営が厳しいと言われ続けて

長い期間が過ぎようとしていますが

大手外食企業の中にV字回復を想定している企業が増えてきました。

ここでは前期が赤字だったけれども通期では黒字化を予想している大手企業を列挙してみます。

(前期も黒字であった企業は除いています)

サイゼリヤ、すかいらーくHD、ペッパーFS、

串カツ田中HD、吉野家HD、クリエイトRHD、

ドトール、リンガーハット、コロワイド、

トリドールHD、カッパ・クリエイト、サンマルク、

元気寿司、幸楽苑HD、大戸屋HD、ジーテイストの16社が

前期は赤字であったけれども通期では黒字化すると見込んでいる企業です。

このデータを見るとファミレスや回転寿司、カフェなどが多く、

酒類提供を主にしている企業は非常に少ないことが分かります。

唯一、串カツ田中が酒の売上を主にする居酒屋業態ですが

4,5年前より子連れ客を歓迎しファミリー客の囲い込みに成功している点が

今回の業績回復に影響しているのかもしれません。

 

このようにオリンピック以降に、

まん延防止措置や緊急事態宣言がすべて解除された後には

外食産業の食を中心にする業態は

ある程度の復活が予想されます。

政府や東京都もこの分野に今後も大きな規制を掛けるのは難しいと思います。

反面、サラリーマンなどを顧客層として取り込んできた

オフィス街の居酒屋や大箱の飲食店は

厳しい状況が続くかもしれません。

併せて少人数客の予約を取り込んでいくことが大切な要素だと考えます。

 

世界のコロナ感染状況

先月記載しましたが、

世界各国のコロナ新規感染者数は確実に減っています。

7月3日現在のデータでは、

アメリカ(ピーク時の5%)、

カナダ(同7%)、

イタリア(同2%)、

インド(同12%)、

中国(同1%)、

台湾(同13%)

となっておりワクチンの普及により新規感染者は減っています。

 

ちなみに日本はピーク時に23%となっています。

 

アメリカのニューヨークでは一時、

感染者数が爆発的に増えロックダウンを繰り返し

2020年3月時点では一日あたりの死者数が700人を超え

世界的に見てワーストだった時期もありました。

しかし先月6月15日、

アンドリュークオモ市長が会見を開き

COVID-19つまりコロナによる全ての対策の解除を宣言しました。

 

要するに、

マスク着用、ソーシャルディスタンス、レストランの入場制限などが撤廃されています。

それもこれもワクチン接種率が70%を超えたからです。

日本は7月3日現在、ワクチン接種率は24%です。

2回接種の割合は13%となっています。

毎月、こういった内容を記載すると

何だか政治色が強くなってしまうので深堀は避けますが日本で

はワクチンの副反応が怖いと毎日報道しているので若年層のワクチン接種希望率が約34%だそうです。

何だか、ため息が出そうですが、

この現実がコロナを克服し日本経済が復活することを遅らせている事の大きな要因の一つと言えると思います。

 

★豆知識

暗いニュースばかりなので、ちょっと話題を変えてみます。

皆さんは目標をお持ちですか?(目的とは違います)

仕事の事でもプライベートでもなんでも結構です。

例えば「○○年〇月までに、2号店を出店する」とか

「来年は売上を○○円にする」

「どこどこのマンションに引っ越す」

など何でも構いません。

飲食店経営をしているんだから

目標を持ってるなんて当たり前だよと、

おっしゃるかもしれません。

それでは、ちょっと質問を変えて

「目標を手帳や紙に書いて持っていますか?」

ちょっとスピリチュアルな感じかもしれませんが、

目標と言うのは

心で思っているだけよりも紙に書く

ということが非常に大切だ

科学的にもデータで証明されています。

ある年の米のイエール大学の卒業生に以下の質問を行い、

その後の仕事や収入を調査しました。

  • 明確な目標はありますか?
  • その目標を書き留めていますか?

とある年の全卒業生にアンケートを取りました。

その回答結果を見ると・・・

 

①の質問に対して明確な目標を持っていますと答えたのは13%でした。

 

②の目標を持っていて書き留めていると答えた学生は3%でした

その他の84%の学生は「楽しく過ごす」というような漠然とした目標はありましたが。

明確な目標はありませんという結果でした。

このアンケート結果を基に20年後、その時の卒業生の進路や収入を調査しました。

 

①の明確な目標を持っていると答えた13%の卒業生は、

明確な目標は無いと答えた84%の卒業生の2倍の収入だったという結果が出ています。

 

②の目標を書き留めているという3%の卒業生の収入は、

明確な目標を持っている13%の卒業生の収入と

目標の無い84%の卒業生の合計の収入の10倍だったという結果が出ました。

すごいですよね?

明確な目標を持つことと紙に書き留める事の重要さが分かります。

でも皆さん、

この理由をしりたいですよね?

簡単に言いますと

意識をどこに集中させているかという事になるのですが

詳細は別の機会でご説明させて頂きます。

気になるなあと言う方は、

お会いした時に私に聞いて頂ければと思います。

(ちなみに僕の手帳は目標だらけです)(笑)

 

テレビや新聞では暗いニュースが続いていますが

3%の学生のように目標を持って前向きに、

斜め45度上を見ながら頑張っていきましょう!