飲食店の開業はやめたほうがいい? 17年の現場で見た「止まるべき人」と「進んでいい人」の違い
「飲食店の開業はやめたほうがいい」。家族や友人にそう言われて、この記事にたどり着いた方もいると思います。
先に結論を書きます。やめたほうがいい人は、たしかにいます。ただしそれは、料理の腕や情熱で決まるものではありません。ほとんどが、物件を借りる前の数字で決まります。そして数字は、契約する前なら直せます。
この記事では、飲食店の出店判断を専門にしている立場から、いったん止まるべきサインと、進んでいい人の共通点をお伝えします。
なぜ「やめたほうがいい」と言われるのか
理由は、数字に出ています。
東京商工リサーチによると、2026年上半期(1〜6月)の飲食業の倒産は509件で、上半期として過去最多でした。原因の83.3%は「販売不振」、資本金1千万円未満の小さな事業者が90.5%を占めています。
一方で、開業にかかるお金は小さくありません。日本政策金融公庫の「2025年度新規開業実態調査」(全業種)では、開業費用の平均は975万円、中央値は600万円。資金の内訳は、金融機関などからの借入が平均827万円、自己資金は平均279万円です。
つまり多くの人が、自己資金の数倍を借りて始めています。売上が計画に届かなかったとき、残るのは借入です。周りの人が「やめたほうがいい」と言うのは、この構造を見ているからです。
ただ、「販売不振」という言葉には注意が要ります。売れなかった原因の多くは、開けたあとの努力不足ではなく、開ける前に決めた家賃・内装費・返済額が、その立地の売上に対して重すぎたことにあります。
いったん止まるべき5つのサイン
1.出店した時点で半年分の運転資金が残らない
開業資金を、内装と保証金でほぼ使い切る計画になっていないでしょうか。開けてすぐに計画どおりの売上が立つとは限りません。その間も家賃・人件費・仕入れは毎月出ていきます。内装を削ってでも、手元にお金を残す計画に直してください。
2.家賃を「払えるかどうか」で決めている
家賃は、売上から逆算して決めるものです。その家賃を払うために、1日に何人のお客様が必要か。席数と客単価と営業日数を並べれば、契約前に計算できます。計算して「この立地で毎日その人数は難しい」と分かったら、それは見送る理由になります。
3.居抜き物件を「造作が安い」で決めている
居抜きで怖いのは、借りたあとに設備の不足が見つかることです。内見では厨房の見た目より先に、電気の容量、ガスの容量、排気と換気の経路、給排水とグリストラップを確認してください。前の店が使えていても、業態が変われば足りなくなることがあります。直す工事は、造作の安さを簡単に打ち消します。
4.「知り合いが来てくれる」を売上に入れている
前の職場の仲間や友人は、最初の月には来てくれます。けれども毎月の売上をつくるのは、あなたを知らない人です。知り合いの来店は、計画の数字から外しておくほうが安全です。
5.周りに、反対してくれる人がいない
物件を紹介する人、工事をする人、機器を売る人。みなさん誠実に仕事をしています。ただ、その多くは出店が決まることで仕事が始まる立場です。「やめましょう」と言う役割の人が、出店の現場にはほとんどいません。あなたの計画を数字で止めてくれる人が、一人いるかどうかを確かめてください。
実際に、出店を止めた話
ある会社員の方から、独立の相談を受けたことがあります。融資は通る見込みがあり、周りの方は全員「大丈夫」と言っていました。けれども飲食の経験がなく、自己資金も十分ではありませんでした。
私は奥様にも同席していただき、数字を一つずつお見せして、今回の出店は見送るようお話ししました。夢を破ってしまったようで、非常に辛かったことをおぼえています。
数か月後、その方は菓子折りを持って感謝の意を伝えに弊社の事務所に来てくださいました。
止めるのは、開けてほしくないからではありません。開けた店に、長く続いてほしいからです。
進んでいい人の共通点
長く続く店の店主には、共通点があります。数字をあいまいにしないことです。
「これくらいはいいだろう」「なんとかなるだろう」「来月は良くなるだろう」。この3つで進む店は苦しくなります。反対に、嫌な数字でも目をそらさず、対策を打てる人は残ります。
上の5つのサインに当てはまらず、数字と向き合う覚悟があるなら、進んでいいと私は考えます。
契約する前に、自分でできる3つの確認
①その家賃を払うために必要な1日の客数を計算する。
②内装と設備の見積を、1社だけで決めない。
③開業後6か月の収支を、売上が計画の7割だった場合でも作ってみる。
この3つを紙に書くだけで、判断はかなり変わります。
まとめ
飲食店の開業をやめたほうがいいかどうかは、人ではなく計画で決まります。そして計画は、契約の前なら直せます。
不安は、お金があるだけでは消えない。数字が見えると、消えていく。
ティーアップは、これから飲食店を出す方の「この物件で本当にいいのか」を、契約する前に判断する会社です。候補の物件がある方は、契約の前に一度ご相談ください。
出典:東京商工リサーチ「2026年上半期 飲食業倒産」/日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」
理由は、数字に出ています。
東京商工リサーチによると、2026年上半期(1〜6月)の飲食業の倒産は509件で、上半期として過去最多でした。原因の83.3%は「販売不振」、資本金1千万円未満の小さな事業者が90.5%を占めています。
一方で、開業にかかるお金は小さくありません。日本政策金融公庫の「2025年度新規開業実態調査」(全業種)では、開業費用の平均は975万円、中央値は600万円。資金の内訳は、金融機関などからの借入が平均827万円、自己資金は平均279万円です。
つまり多くの人が、自己資金の数倍を借りて始めています。売上が計画に届かなかったとき、残るのは借入です。周りの人が「やめたほうがいい」と言うのは、この構造を見ているからです。
ただ、「販売不振」という言葉には注意が要ります。売れなかった原因の多くは、開けたあとの努力不足ではなく、開ける前に決めた家賃・内装費・返済額が、その立地の売上に対して重すぎたことにあります。
1.出店した時点で半年分の運転資金が残らない
開業資金を、内装と保証金でほぼ使い切る計画になっていないでしょうか。開けてすぐに計画どおりの売上が立つとは限りません。その間も家賃・人件費・仕入れは毎月出ていきます。内装を削ってでも、手元にお金を残す計画に直してください。
2.家賃を「払えるかどうか」で決めている
家賃は、売上から逆算して決めるものです。その家賃を払うために、1日に何人のお客様が必要か。席数と客単価と営業日数を並べれば、契約前に計算できます。計算して「この立地で毎日その人数は難しい」と分かったら、それは見送る理由になります。
3.居抜き物件を「造作が安い」で決めている
居抜きで怖いのは、借りたあとに設備の不足が見つかることです。内見では厨房の見た目より先に、電気の容量、ガスの容量、排気と換気の経路、給排水とグリストラップを確認してください。前の店が使えていても、業態が変われば足りなくなることがあります。直す工事は、造作の安さを簡単に打ち消します。
4.「知り合いが来てくれる」を売上に入れている
前の職場の仲間や友人は、最初の月には来てくれます。けれども毎月の売上をつくるのは、あなたを知らない人です。知り合いの来店は、計画の数字から外しておくほうが安全です。
5.周りに、反対してくれる人がいない
物件を紹介する人、工事をする人、機器を売る人。みなさん誠実に仕事をしています。ただ、その多くは出店が決まることで仕事が始まる立場です。「やめましょう」と言う役割の人が、出店の現場にはほとんどいません。あなたの計画を数字で止めてくれる人が、一人いるかどうかを確かめてください。
実際に、出店を止めた話
ある会社員の方から、独立の相談を受けたことがあります。融資は通る見込みがあり、周りの方は全員「大丈夫」と言っていました。けれども飲食の経験がなく、自己資金も十分ではありませんでした。
私は奥様にも同席していただき、数字を一つずつお見せして、今回の出店は見送るようお話ししました。夢を破ってしまったようで、非常に辛かったことをおぼえています。
数か月後、その方は菓子折りを持って感謝の意を伝えに弊社の事務所に来てくださいました。
止めるのは、開けてほしくないからではありません。開けた店に、長く続いてほしいからです。
進んでいい人の共通点
長く続く店の店主には、共通点があります。数字をあいまいにしないことです。
「これくらいはいいだろう」「なんとかなるだろう」「来月は良くなるだろう」。この3つで進む店は苦しくなります。反対に、嫌な数字でも目をそらさず、対策を打てる人は残ります。
上の5つのサインに当てはまらず、数字と向き合う覚悟があるなら、進んでいいと私は考えます。
契約する前に、自分でできる3つの確認
①その家賃を払うために必要な1日の客数を計算する。
②内装と設備の見積を、1社だけで決めない。
③開業後6か月の収支を、売上が計画の7割だった場合でも作ってみる。
この3つを紙に書くだけで、判断はかなり変わります。
まとめ
飲食店の開業をやめたほうがいいかどうかは、人ではなく計画で決まります。そして計画は、契約の前なら直せます。
不安は、お金があるだけでは消えない。数字が見えると、消えていく。
ティーアップは、これから飲食店を出す方の「この物件で本当にいいのか」を、契約する前に判断する会社です。候補の物件がある方は、契約の前に一度ご相談ください。
出典:東京商工リサーチ「2026年上半期 飲食業倒産」/日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」
ある会社員の方から、独立の相談を受けたことがあります。融資は通る見込みがあり、周りの方は全員「大丈夫」と言っていました。けれども飲食の経験がなく、自己資金も十分ではありませんでした。
私は奥様にも同席していただき、数字を一つずつお見せして、今回の出店は見送るようお話ししました。夢を破ってしまったようで、非常に辛かったことをおぼえています。
数か月後、その方は菓子折りを持って感謝の意を伝えに弊社の事務所に来てくださいました。
止めるのは、開けてほしくないからではありません。開けた店に、長く続いてほしいからです。
長く続く店の店主には、共通点があります。数字をあいまいにしないことです。
「これくらいはいいだろう」「なんとかなるだろう」「来月は良くなるだろう」。この3つで進む店は苦しくなります。反対に、嫌な数字でも目をそらさず、対策を打てる人は残ります。
上の5つのサインに当てはまらず、数字と向き合う覚悟があるなら、進んでいいと私は考えます。
契約する前に、自分でできる3つの確認
①その家賃を払うために必要な1日の客数を計算する。
②内装と設備の見積を、1社だけで決めない。
③開業後6か月の収支を、売上が計画の7割だった場合でも作ってみる。
この3つを紙に書くだけで、判断はかなり変わります。
まとめ
飲食店の開業をやめたほうがいいかどうかは、人ではなく計画で決まります。そして計画は、契約の前なら直せます。
不安は、お金があるだけでは消えない。数字が見えると、消えていく。
ティーアップは、これから飲食店を出す方の「この物件で本当にいいのか」を、契約する前に判断する会社です。候補の物件がある方は、契約の前に一度ご相談ください。
出典:東京商工リサーチ「2026年上半期 飲食業倒産」/日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」
①その家賃を払うために必要な1日の客数を計算する。
②内装と設備の見積を、1社だけで決めない。
③開業後6か月の収支を、売上が計画の7割だった場合でも作ってみる。
この3つを紙に書くだけで、判断はかなり変わります。
飲食店の開業をやめたほうがいいかどうかは、人ではなく計画で決まります。そして計画は、契約の前なら直せます。
不安は、お金があるだけでは消えない。数字が見えると、消えていく。
ティーアップは、これから飲食店を出す方の「この物件で本当にいいのか」を、契約する前に判断する会社です。候補の物件がある方は、契約の前に一度ご相談ください。
出典:東京商工リサーチ「2026年上半期 飲食業倒産」/日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」




