飲食店経営者が今考えるべきこと

公開日: 2021年1月30日

こちらは2020年12月弊社クライアント様へお届けした【ティーアップ通信】の一部抜粋したものです。

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早いもので今年も残すところ一か月弱。今年は色々なことがありましたね。

新型ウイルス、東京オリンピック延期、アメリが大統領選挙、安倍首相から菅首相へ等が今年の大きなニュースといった感じでしょうか?

私達飲食店に関係するニュースで言えば、

・緊急事態宣言発令

・東京都時短営業を要請

GO-TO-イート始まる

など今年はコロナ関連で私達は翻弄されっぱなしでした。

そして現在も札幌、大阪、東京、名古屋に関しては飲食店の夜の営業を22時までと時短を求められており1年を通じて一番の売上が取れる12月にも拘らず22時で閉店しなければならないという状況に追い込まれています。

では実際に全飲食店のうち、どれくらいの店舗が時短要請に従っているのでしょうか?

弊社のクライアント様の集計では(1店舗のみ経営の個人もしくは法人が経営する店舗に限る)約90%の方が時短要請に従っている状況です。

と言いますのも1125日水曜日に小池都知事が会見をした日を境に売り上げが激減し予約のキャンセルも非常に多くなりました。

この記者会見と時短要請の発表によって時短要請には影響を受けない18時からの予約など早い時間の予約も含めてキャンセルが相次ぎました。

号外メールにも書かせてい頂いたように時短要請が出る事で都内の企業としては社員などに対して社内の会食や会合などに注意喚起をせざるを得ません。

そして会食の自粛要請を社員に通達するわけです。

こういった理由で大手企業のサラリーマンやOLさんがお客様の中心だった飲食店やオフィス街の飲食店は客足が減り、会食や宴会のキャンセルが相次ぐと言う流れです。

居酒屋やバル、立ち飲みなど酒を主とする業態というのは、「今日は飲みに行こう!」という気持ち、つまりマインド(気持ち)が大切です。

弊社直営店も酒を中心とした業態で売り上げの大きな部分を酒が占めていますが、

こう言う業態はスーパーやコンビニと違って休業によって日常生活に影響を及ぼして市民生活が混乱に陥るというような業種ではありません。

だからこそ、「今日は美味しいものでも食べに行くか!」といったようなマインド(気持ち)や動機が必要になってきます。

私は時短要請が、このマインド(気持ち)を低下させてしまうのでは?と心配しています。

GO-TO-イートのポイントは外食への気持ちを持ち上げてくれたので世間の消費マインドが向上し外食しよう!

と沢山の人が思う事で10月の飲食店売上は回復基調でした。

しかし東京都からの時短要請と感染者数が増えてきた事でテレビでは不安をあおる報道が増えてきたので、

また外食しようという気持ちが下がってしまい飲食店の売り上げが下がってしまいます。

このように考えると人の物事に対する考え方は大切な気がします。

先月ご紹介したナポレオンヒルの「思考は現実化する」という自己啓発のバイブルの様なベストセラー本があるのですが、

「人間は自分の頭で考えたことは現実になる」というちょっと深い内容です。

別に超能力やオカルトチックな本ではありません。

簡単に申し上げれば「一つの事実(出来事)をプラスに考えるのか?マイナスに考えるのか?は各個人それぞれの考え方だよ」と言っています。

例を挙げますと昔、二人のイギリス人の靴商人が国外へ販路を広げようとアフリカ大陸へ行きました。

アフリカ大陸に着いて現地の人を見ると誰も靴などは履いておらず皆、裸足でした。

この光景をみて一人の商人は本国へ手紙を書きました。

「新しい大陸を発見しましたが、この大陸には靴を履く文化がありません。撤退します。」

もう一人の商人は

「ものすごい宝の山を発見しました!この国は全ての人が裸足です!靴を至急10,000足送ってください!」

と本国へ手紙を書きました。

 

船で行きついた大陸の原住民は裸足だったという状況は全く同じであるのに、この事実の捉え方は180度違っています。

つまり事実をどう解釈(理解)するかは人によって違うという事です。

 

この理解の仕方には癖があると言われています。

その癖とは事実を「プラスに捉える癖」があるか、「マイナスに捉える癖」があるかという事です。

例えば何かに失敗した時に「ああ、俺は何をやってもダメだから次もきっとダメだろう」と考える人もいれば、

「ああ、今回は失敗してしまった。だけど次は同じ間違いをしないように頑張ろう!」と思う人がいるように「プラスに考える癖」がある人は失敗しても次頑張ろう!と考える事が癖になっているんです。

逆に物事を「マイナスに捉える癖」がある人は、一生懸命頑張ってやっと店の売上が上がったと言う最高にうれしい時もマイナスに捉えてしまい「どうせマグレだ。来月から厳しくなりそうだ」と自分で勝手にマイナス方向に解釈つまり理解してしまいます。

この癖は生い立ちとか過去に経験した出来事の積み重ねで出来上がります。

過去の経験でプラス思考かマイナス思考かが変わる事例として一般的に企業は人材を募集する時に学歴やスポーツで優秀な成績だった人を採用します。

そういう人は頑張り屋さんが多いという事もありますが受験での成功やスポーツでの勝ちの経験がある人プラスに考える癖があると企業側が考えているからであり採用するならプラス思考の人の方が良いと考えている証拠です。

でも俺は元来、マイナス思考だからダメだ・・・なんて言わないでくださいね。

考え方の癖は過去の経験から出来上がっているとすれば逆を言えば、考え方をプラスに変えられるということです。

人間というのは元々、原始の時代に外敵や天変地異などから身を守る為にも出来事や現象を悪い方に考える事で自分や家族を守る準備をして生き残ってきました。

だから、マイナスに考えるのは本能でもあるので、この考え方の癖を変えるには学習して考え方の習慣をプラスに変えていくしかないんです。

しかし殆どの人は面倒くさいので学んでまでプラス思考変えていこうとは思いません。

もっと言えば、考え方がプラスだろうがマイナスだろうが飲食店経営には関係ないだろうと思っています。

ちなみに私は30歳の頃から今まで、かなりの金額を、この学びに費やしてきました。

こんな事を告白すると皆様に笑われそうですが当社はリーマンショックの時も東日本大震災の飲食業界大不況の時も、沢山苦しみましたが

プラス思考のお蔭で乗り越えてくることが出来ましたので結果として学びに費やした費用に関しては充分に元は取ったと思います(笑)

だからこそコロナ禍の今こそ、プラス思考が経営者には必要だと思っています。

 

当然ですが弊社も毎月の売上が激減し本当に悩みました。

しかし落込む事を止めコロナ禍でも高収益な企業を様々分析して苦しみながらもお蔭様で何とか当初に設定した目標通りに着地出来ました。

 

おわりに

今回のコロナ禍で学んだ事は現状をどのように考えるのか?は自分次第なんだなという事です。

弊社と協業でウーバー対策の為にデリバリーして30分後でも美味しく食べられるパスタを共同開発して頂いている店舗様や物件が空いてきた今こそチャンスと捉え出店した方、コロナで暇な時間が出来たから人事に関するルールや書類を整備しようとご相談される店舗様もいます。

コロナ禍でも前向きに新しい事にチャレンジしている経営者様の姿には本当に勇気づけられます。

 

長くなってしまいましたが経営者の私達こそマインドや考え方が大切ではないでしょうか?

私達の心が折れてマイナス思考になってしまっては絶対に結果がプラスにはなりません。

こう言うと、やせ我慢して辛いのにカラ元気になれと言うのですか?という質問があるのですが、

今回の文章の言っている本質を理解してください。私も辛い時はもちろん落ち込みますし、クヨクヨすることも沢山あります。

でも常に問題が問題ではなく、問題に対する捉え方が問題だと考えるようにして、思いや考え方はプラスの状態にしようと心がけています。

単純な例でいえばプラス思考の経営者の方がマイナス思考の人よりは人が集まりますよね?これだけでも飲食店経営者にとっては良い事だらけのような気がします。

泣いても笑っても今年はあと1月です。

売上が悪くても来年浮上するために準備をすることも出来ますし今のやり方を変えることもできます。

残された時間を有効に使うためにも、今回の内容を少し考えて頂けると本当にうれしいです。

私の心配は皆様の店の売上はもちろんですが苦境によって心が折れてしまう事です。

辛い状況下なのに、この様な文章で返って気分を害されてしまう方がいらっしゃったら申し訳ありません。

皆様の店舗運営に少しでもお役に立てれば幸いです。

あとひと月頑張りましょう!