炭火串焼きと串煮込みささよし
住所:東京都三鷹市下連雀3-33-17
TEL : 042-663-9755
銀座の串焼きの名店で10年以上修行をされたオーナーがこの度三鷹にオープンされました。本格的な串焼きを堪能して下さい。
【炭火串焼きと串煮込みささよし オーナー 渡邊 崇 氏】インタビュー
阿久津氏(以下A):いつから飲食業の道に入ったのですか?
渡邊氏(以下W):以前私が働いていたお店(以下:前の店)は「もつ串」屋で1982年から新宿にある店です。私は大学時代、新宿店でバイトしていました。大学卒業後、一度コンピューター関係の会社でサラリーマンをしていました。その後、前の店から「銀座店をリニューアルするのでやってみないか?」という誘いがありその期に銀座店で働き始めました。当時25歳でした。
A:では、11年間銀座店で働いていたんですね。正社員だったんですか?
W:社員です。
A:独立はいつから考えていたのですか?
W:一年前からです。初めは独立することを考えていませんでした。入社時(11年前)銀座店を大きくするのが目的でしたので私もそのことばかり考えていました。その後、独立を何となく考え始めました。
A:どのくらい前から独立準備されたのですか?
W:準備は1年前から独立しようかなという程度から始まりました。
物件について
A:物件探しはお休みの時にしていたのですか?
W:はい、まずネットで探し始めました。昨年10月から始め多摩の方で探していましたが、なかなか物件自体がありませんでした。物件情報は地元の有力業者間で回っているようで、なかなか一般公開という形で出てこないと聞きました。
A:三鷹の物件はどうやって見つけたのですか?
W:偶然ネットで見つけ、見に行きました。
A:いろいろ他にも内見したのですか?
W:内見をしたのはここが初でした。
A:では、運が良かったのですね。この物件に決定した一番の理由は何でしたか?
W:駅近で、家賃が安く店前交通量も多かったことです。
A:マイナス要素は何かありましたか?
W:上がマンションで住居の為、煙、臭いがトラブルになるのではないかと心配でした。すでに5,6件申し込みが入っていたし、中でも一番の重飲食だったようなので選ばれると思っていなかったです。 正直ダメもとでした。
A:では申し込みを入れてからは、すぐに決まりましたか?
W:物件に申し込みを入れた日は1月10日前後で、物件決定は1月下旬でした。内装業者を決めたのが2月20日頃だったと思います。
A:出店に関して苦労した点はなんでしたか?
W:初めてだったので、出店までの要領(段取り)がわからなかった事です。
A:業者は何社コンペだったんですか?
W:5社コンペになりました。
A:5社との打合せはどうでしたか?
W:時間がなかったので5社を選定したのは多かったと思います。
A:渡邊さんがこれから出店をする人にアドバイスするとしたらコンペをした方が良いと思いますか?
W:時間と体力があれば、コンペに労力をかけてもいいと思います。しかし、私の場合、時間が十分なかったので大変でした。打合せの時間が一社、一社かかりますからね。
工事全体について
A:業者決定後も不安がありましたか?
W:デザイン会社を選定する際に概算の予算を提示してもらいましたが実際の見積もりでは概算予算よりも高くなってしまいました。原因として、デザイン会社選定の段階では物件の調査も簡易な物で後々不都合が発覚してしまうなどの問題が発生したからだと思います。この点をティーアップが設計会社と私の間に入り金額を調整してもらって助かりました。やはり素人には相場がわからないので、この金額かかりますと言われると、「そうなのかな。」と思ってしまいます。 用語や図面などが専門的な事もあり素人の私では交渉は難しかったと思います。それを素人の私にでも理解できるようにティーアップの阿久津さんが説明をしてくれました。この点は大きかったです。
A:居抜きのメリットは何だと思いますか?
W:費用がスケルトンからやるよりは抑えられるからだと思います。しかし、私の場合、前のお店が寿司屋で、そこからホルモン焼き店への変更なので、設備関連に費用がかかりました。 特に電気やガスの引き込みの一次側の費用がかかりました。
A:私と出店前に話したように居抜きであるから安いということではなかったということですね。
W:予算が低かったので居抜きを探せば良いと考え物件を探していましたが、居抜きであれば良いと言うわけではないことを阿久津さんから教えて頂きました。 今回は以前の店舗が寿司屋だったので設備面で大きく改装する必要があり、この点において費用が掛かってしまいました。 一般に言われている「居抜きだから安い」というわけではないように今は思います。
A:この出店で苦労した点は何ですか?
W:いかに予算を下げる努力をしたかということです。当初の予算を守ることに苦労しました。
A:渡邊さんはダクトの問題が大きかったと思いますが、今回渡邊さんが設置したぶくぶくジェット(水フルター型の臭いをとる機械)はどうやって知ったのですか?
W:インターネットで知りました。
A:思ったより音が静かですね。
W:そうですね。場所的に煙も臭いも気をつけないといけないので、設置しましたが(つけて)良かったと思います。
A:トイレはサティスにしたのはなぜですか?
W:やはりトイレはキレイにしたかったからです。安いものをネットで探しました。
A:女性客にも来てほしいですからね。
W:女性客を狙っていたので、女性の観点からアドバイスをもらえたので女性のデザイナーさんで良かったと思っています。
店名について
A:店名の由来はなんですか?
W:「ささよし」の「ささ」は前の店の名前を頂きました。「よし」は父親の名前です。
A:ターゲットはどういう顧客層になりますか?
W:地元中心になると思います。地元の方に愛される店にしたいです。
A:営業時間は?
W:17:00~23:00。夜だけの営業で仕込みは昼からします。
A:飲み物の商品単価はどう設定しましたか?
W:生ビール500円、キンミヤ焼酎600円です。
A:客単はどのくらいですか?
W:3000円位です。
A:仕入れのルートは?
W:仕入れのルートは前の店からの紹介です。
A:渡邉さんのお店の売りは何でしょうか?
W:料理です。
A:渡邊さんの接客も気持ちが良いので、渡邊さんの一対一の接客も売りになるのではないですか?
W:ありがとうございます。でも話していると失敗しやすくなるのであまり話せないと思います。常においしい物を出したいので、焼きに集中したいです。
ティーアップと組んだ点
A:私(ティーアップ)と組んで良かった点は何ですか?
W:今回選定した物件が本当に商売に適しているかどうか自分では分からず不安でした。それを阿久津さんが一緒に同行してもらったり業態を考えて色々な戦略を考えてくれました。予算が無かったのでお金のかからない販売促進方法などを教えてもらって本当に感謝しています。そして、先程も話に出ましたが業者との交渉に協力を頂き工事費用をおさえてもらったり、全体の工事費を抑えるためのアドバイスをもらい助かりました。 そしてオープンまでに必要な業者紹介をしてもらったり、出店に必要な運営準備の専門的な部分を教えてもらったことは他では教えてもらえなかったと思います。
A:飲食店の成功とは何だと思いますか?
W:素直に人の助言を受け入れることができる人が成功するのではないでしょうか?
A:それは本当にそう思います。
W:私は自分が正しいと思っていないのです。お客さんに対して良いものを出してあげたいです。私は作り手ですが、食べるのはお客さんですから。
A:渡邊さんは今、独立されてお店を出店されましたが、「経営者になる。」ということは、思っていたのですか?
W:「ゆくゆくは」と思っていました。
A:なぜ飲食店をしようと思ったのですか?
W:すぐにお客さんからの反響があるからです。
A:もっと早い時期に開業しようとは思わなかったですか?
W:本当は30前後に開業したかったです。
A:今後の不安要素は何ありますか?
W:売上と体調ですね。倒れたらやってくれる人がいないですから。
A:資金はどうしたのですか?
W:親から借りました。援助がなければ始めなかったと思います。
A:前の店でやりながら独立は難しかったということですか?
W:そうですね。
A:今後会社にすることを考えていますか?
W:ゆくゆくはしたいと思います。
A:今後の展開はどうですか?
W:多店舗展開したいと考えています。
A:是非今後の展開にも期待しています。またご出店の際にはお声掛けください。さらに良いお店を作っていきましょう。
今回のインタビューを終えて感じたのは、渡邉さんは当初から初出店なので良く分からないことばかりであると御自分の弱い部分を正直に打ち明けて頂き私を信頼して頂きました。肝心なメニューやレイアウト、オペレーションなどはご自身で真剣に考え私は一切タッチしませんでした。
この関係が非常に良かったように思います。私は出店をサポートしますがメニューやお店の運営に関する物を決定するのはオーナー様です。ですから私もこの点に関しては口出しをしません。
オーナーの苦手な部分や私がやった方が早くて為になると言う部分しか口出しをしません。こう言った感じで私達はお店を作り上げていきます。
実直で真面目なオーナーですし、応援しようと言う仲間の方々も非常に多いです。大繁盛を期待しています。